Wednesday, February 18, 2009

キューバ入門 103: アシステンシア ソシアル



February 2004

続き


Social Welfare:
社会福祉

国によるヘルスケアを無料で利用できるクーバは、すごい。何がスゴイかと言うと,ある意味「人類最先端の医療システム」.高価な医療用マシーンとか”賢い”保険屋ビジネスの話をしているのではありません.クーバですから.基本的に先進国と比較すると物資不足です.じゃあ何が最先端?それは,西洋医学と東洋医学が共存する世界的にも有名実用的な,政府による保健医療制度.

それは20世紀終わり頃,あのソ連がなくなったとき,クーバからもかなりの物資や商品が姿を消した.医療用ぶっしもそう.そうゆう物質的に満たされていない中で,どうやって健康な体を維持していくか,をシステムとして問われたクーバは研究者たちをこぞって中国へ派遣し,漢方・鍼・指圧などに代表される東洋医学をマスターさせてきた.

そして,医療哲学のようなものをクーバへ持ち帰った.それは西洋医学的のように「病気の症状を薬によって一気に消す」のではなく,「病気の原因を治す.そうすると自然に症状が消える」というごく基本中の基本に医学が立ち戻れたきっかけでもあった.と私は個人的に肯定的に解釈している.

実際に日本でも結構そうでしょ?医者にかかれば「はいはい,じゃあお薬だしときますからね」ってダケで,全然問題解決の手助けしようとも,そんなアイデアさえもも持ち合わせていない「お医者さん」たち.
「風邪はひいたらピル飲んで治す」が当たり前のようになっちゃってるけどね.元来は「日ごろの予防が一番大事.もし風邪ひいたら安静に」でしょう.

話はクーバに戻って,2004年.その年,私はハバナ郊外のとあるクリニックを訪れた.そこでは,内科・外科・小児科・などと同じように指圧科(リフレキソロジー)・鍼科(アキュパンクチャー)などがあった.これには驚いた.

我々の資本主義システムの世の中では、極端な言い方すれば、金が無ければ病気しても治せない、子供産むのにも金かかる、金が無けりゃ生き地獄。ところがクーバ、それらなんて心配無用。こりゃすごい。「地域のクリニック」はどこにでもあって、国民一人当たりの医師数では世界一。基本スタイル,お医者さんが自分が担当の地域の往診するので、患者との距離感が近い.なので体調の変化に気づき易く,結果として病気の早期発見につながる,と.

帝国アメリカの都合のよい様に国のシステムを作ってきた(作らされてきた)日本では,上記やそれ以外の東洋的な伝統医療は,マスメディアや法律によって巧みにコントロールされていて,我々日本の庶民にはなかなか身近に感じれる人が少ない気がする.し かもマスメディアって,一見して偏ってないように見せるのが非常に上手いが実は偏った報道ばかりのような気がして仕方がないし,法律も「特定の誰か」に都 合のよいものが無駄に多い,もちろん万人にとって受け入れやすい形にはなってるんだろうけど.とにかく,なんか「歴史」という巨大なパワーが後ろに控えて て,結局アメリカ政府もまたそれに従属しちゃってる日本政府も,その大きな流れのうねりの身をゆだねてる感じなんでしょうね.

そしてクーバでは無料で教育が受けられるので、識字率はラテンアメリカの中でトップ。外国人であっても、医学を勉強するなら誰でも無料で留学できる。ニューヨークの私のアメリカ人の知り合いも一人この制度を利用してキューバに医学留学していた。


続く


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