Thursday, November 18, 2010

社会研究日本 101 : 尖閣騒動


ワタシたちが生活してるココ日本、毎日目まぐるしく流れる社会のニュース。日本国内のテレビ・新聞・雑誌などの「マスコミ」と呼ばれるマスメディアが伝えるニュースは、「良くも悪くもジャパニーズスタイル」とワタシの目には映っている。

インドで聞いた「盲人たちと一匹の象の話」の様に、ワタシ個人の考えとしては、一つの出来事についてもいくつかの解釈があると思っている。

今回は、そういった社会ニュースを「もっと多角的に知ろうよ」との思いで、ワタシの視点でブログります。今日のお題は、尖閣騒動。




社会研究日本 101 : 尖閣騒動に見る政治キャンペーン





picture taken from wikimedia commons



キャンペーン

マスメディアによると、「日本領近海で不法に漁をしていた中国漁船を注意したら体当たりしてきた。捕まえたら中国が逆ギレ。各地で抗日デモ、アブナイ中国。立ち上がれ日本。」大体こんな感じ。でも、他の観点はどうなの?

ワタシは「これは誰のキャンペーンだ?」と考える。

この視点のベースは、さかのぼること 2001 年の米国 911 事件以来の経験から。あの事件、マスメディアが伝えた米国政府発表の内容は作り話やウヤムヤ話が満載だった。でもアメリカ国民は政府を信じ、そして世論は動かされた。日本社会もフォローした、そして国際社会も巻き込まれた。しかし、それは作られたストーリーだったと気づくのには数年かかった。しかし、すでにアメリカを取り巻く状況は大きく変わっていた。それが、国際社会での情報戦。

だからワタシは、マスメディアの国際ニュースを読むときは何かプロパガンダが入っている可能性が強いと思って見聞きしている。


それでは、この尖閣騒動においてのキャンペーンポイントを見ていこう。


約束破り

国際ジャーナリストの田中宇の国際ニュース解説によると「最初に喧嘩を売ったのは日本かもしれない」と伝えている。

「え?どうゆうこと?」

田中氏の解説によると、1978 年日中友好平和条約を結んだ時、当時の中国のボス、鄧小平(トウ・ショウヘイ)の提案により「尖閣については、この先 50 年は棚上げして日中間で外交的に敵対しない」と合意の上で約束。そして、1997 年に結ばれた日中間の取り決めで、尖閣周辺の北緯 27 度より北の海域には漁業協定が設けられた。

でも、今回日本の海上保安庁が中国漁船を捕まえた地点は協定水域外の北緯 25 – 26 度付近で、そこは何も協定が存在しない海域だという。ここで問題なのは、中国が怒ると分かってるのに海保が日中間の約束を破り日本の法律で漁船長を起訴すると宣言したから。


あの尖閣流出ビデオ見たけど、確かに中国漁船は日本海保船にぶつかっている。しかし本当に日本のマスメディアが伝えてるような状況だったのかは、今のところ判断できない。
しかも、漁船による体当たり行為は海保側が誘い込んだ可能性がある、とも言われている。

じゃあ「は?なんで?」と疑問が出てくるね。今推測されているのは、A. 米国による政治誘導と、B. 日本政府内での権力争い。


煽られる僕ら


まずは、A:アメリカの政府内には、日中が敵対してる方が都合いい人達がいるようだ。海保は国土交通省の管轄。事件のあった時点での国交大臣は前原誠司氏。彼はこの直後、外務大臣に就任している。外務省は対米従属派がハバを利かせている機関と言われていて、アメリカにとってはあやつり易い。今回の事件は、米国が何かもっと大きな作戦の為に日本政府や前原氏をそそのかしてイケイケ路線でワザと日中を敵対させる絵を描いた、と推測する人もいる。

実際に、イラン・コントラ事件やアメリカ政府が表では「麻薬撲滅戦争」とキャンペーンしていたものが実は麻薬の密売でぼろ儲けしてたことを考えると、二枚舌で上手いこと日本の政局や世論を動かすのはそんなに難しくないと思う。

そして、B:僕らの政府内にも、日中が敵対してる方が都合いい人達がいる。第2次大戦以後続く日米同盟の権益に固執している連中にとって、日中間でいがみ合う何かがあった方が「自分たちは正しい、中国とは仲良くしない方がいい」という可能性。
あれ以来、日本でも熱心なメディアコントロールにより国民感情を刺激されている。

あらら、まじで?

んーやはり、一連の騒動で僕らは煽られているみたいだね。

「そんなの今に始まったことじゃない」と言う意識のはっきりした日本人も少なからずいる。近代に入ってからは、キャンペーン仕掛ける人たちが違うだけで、日本が関わる国際的なニュースの陰にはいつもアメリカがいる。

だいたい、一見したところ客観的なマスメディアの言い分は、出来のいい「演出」が散りばめられている可能性が強い。それは彼らの作戦の一つだから、むやみに信用しないよう気をつけよう。実際はもっと重大な出来事が起きている。例えば、このタイミングでロシア大統領が「日本領」である北方領土に上陸したのに、「ロシアが実効支配している」からメディアは大してニュースにしない。あれ、この件は騒ぎ立てないの?


要約

2001 年当時 911 関連の政府発表に異論を唱える人は一部の人たちだけで、大多数のアメリカ人たちは政府発表のストーリーを信じていた。

ワタシの目に映る今の日本、尖閣騒動に関するメディアの伝え方、すごく 2001.911 の状況に似てる。なんとなく感情論で世論が一つの方向にもって行かれ、肝心なところから目をそむけさせられている気がする。

見た目は日中二国間の問題だけど、後ろにはもっと多くの国がそれぞれの思惑で控えている。なのでワタシは、やれ「ナントカだ!」、いや「アンチナントカだ!」という気になれない。


母 国を思う、色々勉強する、考える、熱くなる、声にする、行動する。どれも大切だし素晴らしいことと思う。でも国が変われば立場や観点も違うし、「何が正しい」 「何が大事」も変わる。だから自分の観点で主張をして、反対意見の人や異議を唱える人たちとは根気よく建設的に話しをすることが必要と思う。時間かかるけど相互理解を深めて中間点を見出したい。それが出来ないんじゃ、結論は急がない方が いい。

とにかく冷静にならないとダメだ。
マスメディアが流す政治キャンペーンを鵜呑みにすると意識をもっていかれる。本質が見えてないのに実は誰かに踊らされてたなんて、なんか残念だもんね。



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